中二病が治らない

そんな私の戯言です

ぼくは月の裏側にいます

この数年で、精神的にずいぶん成長したと思う。
強い不安や神経症にかられる頻度も極端に減った。
それでもときどき、孤独で頭が塗りつぶされそうになる日がある。

 

同期とはそこそこうまくやってるけれど、どこか距離をおいて接してる。

まるでそんな気なんて見せていなかった知り合いは、SNSで匂わせ投稿をしている。

みんな大切な人がいる。俺はいつも独り。

色んな事が見えてくる。会社の内実。自分の能力の限界。

未来への見通しはどんどんぼやけていき、固く打ち立てたはずの信念は輪郭がぼやけてくる。

あの子に宛てた返信は、いっこうに来る気配がない。


頭の中でいろんなことが錯綜して、気が狂いそうになる。

そんな時にはいつも、ピンク・フロイドの『狂気』を聞く。

全10曲が連作となっていて、金や戦争、人生の浪費や死といった重く普遍的なテーマを題材に、人間の内に潜む狂気を描いた1枚だ。
聴いているうちにさまざまな感情が脳内で生まれてはシェイクされ、最後には虚脱感にも似た心地よい浮遊感だけが残る。

 

部屋の灯りを消す。意識のピントを外し、首を持ち上げ宙を仰ぐ。

ああ、酒が飲みたくなってきた。ウイスキーだ。

日本酒じゃだめだ。絶望にはウイスキーって相場が決まっている。
飲み方はストレートかロック。ハイボールなんて言語道断。照明を落としたカウンターで、本を肴に一人グラスを傾けるんだ。

せっかく社会人になったんだ。行きつけのバーを1つ2つ作りたい。
壁はレンガ造りがいい。表通りから少し分け入ったところにあって、落ち着いた大人が一人内緒で訪れるような店だ。コロナが落ち着いたら馴染みになろう。
まだ未熟かもしれない。けれど背伸びは若いうちしかできないもんだ。

 

そうだ。
本当のところはみんな孤独で、誰かとつながることで問題を先送りしているだけなんだ。
孤独にじかに触れるか、誰かと過ごして紛らわすか。
その違いでしかないんだ。

 

小さな画面から流れるニュースは、日ごと世の中の悲惨さを切り取って運んでくる。
「作り話ならよかったのに」そんな現実がぼくらを憔悴させる。

世界には問題が山積み。乗っている船は今にも沈みそうなのに、機関室はまるで別のことに気を取られているかのよう。
今のうちに外国語を話せるようにならないと。生き残る術は何がある?
華僑の歴史や文化を学んでおいた方がいいのかな。いずれ参考になるかもしれない。

 

おっと、これ以上はよそう。

 

寝不足で呆けた頭に任せたら、出来上がったのは便所の落書き

でも、今日くらいは大目に見てくれよ。それに、どうせ誰も気にしちゃいないんだ。

 

ガッキーと星野源も結婚したんだし。

 

And if the dam breaks open many years too soon
(もしも ダムが予想より何年も早く決壊して)
And if there is no room upon the hill
(丘の上にさえ 住める場所がなくなって)
And if you head explodes with dark forbodings too
(そして君の頭が 暗い予感ではち切れたなら)
I'll see you on the dark side of the moon
(僕は君と 月の裏側で出会うだろう)


Brain Damage/Pink Floyd(from the album『The Dark Side of the Moon』)


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