中二病が治らない

そんな私の戯言です

リハビリ#2

一節によると「書く」という動詞は、人が文章を考えるときに頭を「かきむしる」様子からとられたのだといわれる。

頭を掻く行為自体がストレスと結びつけられるわけで、事実、文章を書くってことはストレスフルな営みでもある。

 

僕は、頭頂部あたりの髪の毛の一部がひどい枝毛になっている。それこそ、パソコンで何か文章を書こうとしているとき、なかなかアイデアが思い浮かばずにその部分を手でかきむしる。すると、キューティクルが引っぺがされた髪の断片が、チリチリと音を立てて落ちてくる。
みなさんご存じじゃないかもしれませんが、マジにダメージ受けまくった髪って本当に粉雪みたいに落ちてくるんですよ。そんで、竹製の蛇細工みたいにポキポキ折れる。

数十分もすると、机の上が髪のかけらで散らかってくるので、そいつを消しゴムのカスみたいに集めて、ごみ箱に捨てる。それでしばらくすると、再び頭をかきむしる。

ゴミ箱に毛っカスはたまる一方だが、原稿は全然進まない。時間だけがいたずらに過ぎていって、眠くなったら切り上げて、そのまま床につく。

そんなことを繰り返しているうちに、まったく文章が書けなくなった。

 

スティーブン・キングは、ちょうど小説で食えるようになったころにマホガニー材の机を買ったという。理想の作業場を得てますます筆が進むようになったのかと思いきや、逆に全く書けなくなって、マホガニーの前に座って飲んだくれてばかりいたという。

 

「書く」の語源が頭をかきむしる様子だったとして、そういう体勢だと逆に文章って浮かびづらいんじゃないだろうかって、最近時々考える。

実際、机に向かって身構えるよりも、電車とかバスの中、膝の上にノートを開いてボールペンで書いた方が、ぜんぜん捗る。