必要は検索の母
人生の貴重な時間のうちの1時間を、フタを開けるのに費やしてしまった。
その時、ぼくは猛烈に卵かけご飯が食べたかった。
それもただの卵かけご飯じゃない。
福岡で買った明太子入りの食べるラー油を入れた、卵かけご飯。
その名も「明太ラー油TKG」!!!
最強の卵かけご飯を探究するために、避けては通らない道だ。
さて、明太ラー油をご飯に乗せるためには瓶のフタを開けなければいけないわけだが、これがめちゃくちゃ硬い。
どれだけ力を加えても、まったく開きそうな気配がしない。
仕方がないからネットで「開かない蓋を開ける方法」と検索し、一番最初の方に出てきた記事に書かれていた方法を片っ端から試してみた。
お湯で温める、手首に力を加える、蓋に輪ゴムをかける、マイナスドライバーをひっかけてみる etc...
全て焼け石に水だった。
「ただ卵かけご飯が食べたいだけなのに、なぜここまでの苦労をしなきゃいけないんだ!」
自分が置かれた境遇に腹が立ってきた。
そして最後の禁じ手とされた「蓋をキリやペンチで破壊して無理やりこじ開ける」方法に手をかけようか、それとも違うやり方を試してみようかと頭の中で葛藤しながら、うんともすんとも動かないラー油の瓶のフタを20分ほどこねくり回していた。
他のいいやり方が見つからないかと思い、Googleの検索結果の下の方を調べてみる。
すると「10年開かなかった瓶のフタが驚きの方法で開けられた!?」といったような名前の記事がヒットした。
半信半疑で開いてみる。
その方法とは「ガムテープを接着面が表面になるよう縦に半分に折り、片面を瓶のフタの周りに、もう片面を自分の手に触れさせて回す」というものだ。
藁にすがるような気持ちで、試してみる。
すると、それまでの1/10くらいの力で、1時間かけても開かなかったフタが簡単に開いてしまった。
皆様も開かないフタがあったら、ぜひお試しあれ。
◆◆◆
世の中には情報が溢れている。
「ガムテープを使うとフタが簡単に開く」ということは、ぼくが瓶のフタを開けるのに1時間苦労しなかったなら、おそらく生涯知ることのなかった知識だろう。
「必要は発明の母」とはいうが、必要に迫られると人は役に立ちそうな情報を取捨選択する精度が上がるのだろう。
でたらめに知識だけを貪るのも悪くないけど、解決したい課題とか目的がはっきりしていた方が実りが大きかったりする。